図書館派なので、人気のある本だと予約してから半年以上待たされることも多かったりしますが、この本もそういうの。外務省官僚で田中眞紀子や鈴木宗男が大活躍していた頃に逮捕された佐藤優の『自壊する帝国』。彼がロシアで外交官としてキャリアを開始したあたりからの話が書かれています。ソ連崩壊前後の最前線の様子を知ることができて非常に面白い。
彼はプロテスタントのキリスト教徒で、大学での神学研究を続けたいために外務省に入ったそうです。配属になったロシアではその信仰と神学、哲学への造詣が人をひきつけ、それが彼の他の外交官にはまねのできない人脈形成に役立っていたようです。人間というのは自身にとって関心の高いことを極めていけばえてして他の俗事(仕事での出世とか)にも反映されるものなのかも知れない。
ゴルバチョフ時代でまだソ連と共産党体制が形をとどめていたころに彼と知りあった高潔な官僚や政治活動家たちが、ソ連崩壊と資本主義経済移行の大変動の中、生活のために正反対の宗旨替えをしたり、あやしげなビジネスマンに転向する様子が印象に残りました。

