リーダーの不在

A9 Maps が終わってしまいました。

A9 Map Closed

2005年のはじめに A9 が Block View を公開した時の興奮はよく覚えています。

もう皆さん忘れてしまったかもしれませんが、当時は Google Maps などまだなく、今は当たり前のようになった衛星画像など手に入らなかった時代です。地図やイエローページのサービスは昔からありましたがどこか温もりの欠けた、無彩色の印象が強く、エキサイトできるものでは決してなかった。

A9 はパイオニアでした。彼らはハイテク装備された SUV に乗って街に繰り出し、街頭の生の風景を撮影して回りました。当時の常識をぶち壊した、膨大な数の街頭写真で彩られた画期的なイエローページサービスはまさに新しい時代の到来を予感させるものでした。

(A9 の Yellow Pages チームの活躍を紹介するページが以前あって、既にアクセスできなくなってしまっていましたが、さいわい Internet Archive には残っていました)

みんなが熱狂しました。昔馴染みの店が写っているのを見つけては喜び、郷愁にかられ、そして面白い風景が写っているのを見つけては タグをつけて Flickr にアップロードしたりするのが流行りました

イエローページには夢がある、地図には未来がある、多くの人にそう確信させたのは A9 だったと僕は思います。それから Google、Yahoo!、Microsoft など、競うようにしてローカルサービスへ乗り出していったのは皆さんご存じのとおりです。

ブームの発火点となった A9 でしたが、皮肉にもそれ自体に人気が集まることはその後なく、そうしているうちに今年2月にはプロジェクトを率いていた Udi Manber 自身が退社(Google に移籍)、そして今回の完全撤退です。残念なことですが、先駆者としてひとつの実験を終えたということになるのかもしれません。

ローカル向けサービスの将来性について高い期待が寄せられる一方で、地域との関係構築というオンラインでサービスをしている企業にとっては大きな困難を伴う課題が横たわっていることも事実です。新しい分野に果敢に挑戦しつつ、長期的なビジョンを持って忍耐強く取り組むリーダーなくしては、この領域での成功は難しいということはいえると思います。

ところで Amazon Yellow Pages の方の Block View はまだ残っているようです。これもいつまで見れるかわからないですが。

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