先日、そば屋の取材の機会がありまして、立ち食いとかじゃなくてちゃんとした手打ちそばの店だったんですが、恥ずかしい話ですけど不勉強なもので、わからない単語がポンポンでてきて困ったわけです。それで、ここはひとつ勉強して出直そう、というわけで、しばらくそばに関する本ばかり読んでました。
その中で特に面白かった本をいくつかご紹介。
大型本。著者の高橋邦弘さんという人はそば界では有名な人らしい。
そば粉の種類や、製粉技術、そばの打ち方、つゆの作り方、その他諸々が膨大なカット数の写真で解説されている。
これを読んで、何でそばの色が店によって違うのか、やっと理解できた。そばの実の中心部は真っ白で、黒いのはその周りの甘皮など。軽くつぶすとやわらかい中心部からこぼれ落ちてきて、さらにつぶしていくと色の濃い周縁部まで混ざる、と。
そんで白いとこはデンプンで、色付きのとこにたんぱく質が多くて、麺をつなぐ力はたんぱく質が持ってる。どちらにしてもうどん(小麦粉)ほどつなぐ力が強くない。普通はそば粉8割に小麦粉のつなぎを2割混ぜる(二八そば)けど、そば粉10割の十割そばは麺が切れやすくなるので打つのが難しい。
信州の更科そばというのは中心部のほんのちょっと取れる真っ白な「さらしな粉」だけを使うそばで、これも打つのが難しいから、小麦粉でつないで、さらに水じゃなくて熱湯で練る。
と、いろいろとおそば屋さんも大変なようです。
僕もそばは好きなほうですが、今までそばをどうやって作ってるかとか、原料がどんなものなのかとか、考えたことがなかったです。こういう知識を持っておくと、食べるときの楽しみも増えますね。
昭和47年に刊行されたものを新装版で復刊した本で、そばにまつわるトピックが50音順で並んでいる。
今のようなそばの食べ方は江戸時代中頃から始まったそうです(それ以前はそばがきにしたり蒸籠で蒸したりして食べた)。この本には、その江戸の頃の風俗に関しても詳しく書いてあって、時代小説とか好きな人にも楽しめるんじゃないかと思います。江戸時代のそばの値段とか載ってます。
山形県にあって3代続く名店の詳細なルポルタージュ。生粉打ち(つなぎなし)の極太麺で、とにかく量が多いらしい。
本当にうまいのかどうかは知らないが、そば本来のあり様を留めているんだろうな、というのは伝わってきます。現代に生きる僕らは本当のそばを食べた経験がない、ということも考えられるので。
ここのそば食いに山形まで行ってみたい、と思ってしまいましたが、いつになるやら。
さて、そばが食べたくなってきたところで(?)、取材した立川のおそば屋さんをご紹介。まだ新しい店なのでグルメ本には載ってませんよ。
石臼挽きのそば粉を使っている手打ちそばのお店です。二八そばの他に十割そばやあらびきそばがあります。
この店、そばがうまいのはもちろんなんですが、自家製の豆腐がうまい。ほんとに。ほんとに旨い。製法は最後まで教えてくれませんでした。だまされたと思って食べてみて下さい。
それから、「そばぷりん」というそばを使ったプリンがあるんですが、これも絶品。これだけ売り出してもいけるんじゃないかと思うくらい。そば茶のように香ばしい香りがします。ご主人、元パテシエだったそうで、デザートが美味いのも納得です。
高橋邦弘の蕎麦大全