吉祥寺 カフェ・ビシュエ

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カフェ ビシュエ

「お店を成功させる鍵はリピーター客の獲得にあり、それには(数は少なくても)個性的な品揃えが重要だ」と以前、取材先のお店のオーナーに教えてもらったことがあります。大規模小売店や量販店、チェーン店は品揃えの数や安さで不特定多数のお客にアピールすればいいけれども、小さなお店は他所とは違う個性を打ち出して地域のお客に愛されなくては成功できない、そういうことだと思います。

吉祥寺のような多種多様なお店が競い合っている地域では、その中で個性を光らせるというのはとりわけ大変なことなんだろうと思います。特に最近は吉祥寺の人気が高いようで、ともすれば埋没していつの間にか消えていってしまうということも少なくないようです。

金曜にお邪魔したカフェ ビシュエというお店はそんな激戦区・吉祥寺で14年続いている喫茶店です。元々コーヒー専門だったそうですが、紅茶もメニューに加え、それなら紅茶に合うケーキも、という具合に段々とメニューを増やして行ったそうなのですが、その度「どうせやるなら他所にはない良い品を」と考えて独自に工夫してこられたのが、メニューを見てもそれがよく現れていると思います。

最近私はコーヒーに詳しくなりたいと思って(曲がりなりにも喫茶店の取材をしているわけですからね…)本など読んで勉強してみたりしているのですが、生豆を何年も寝かせて熟成させる「オールドコーヒー」というのは、扱う店は滅多にあるもんじゃない、というようなことが読んだ本には書いてあり、

もっともオールドコーヒーに憧れる者は数多いが、自らすすんでマネをしようとする者は少ない。コーヒー豆を一〇年、二〇年寝かせるなどという悠長なことをやっていたら、商売にならないからだ。それに、どんな豆でも寝かせればよい、というものではない。豆によって向き不向きがあり、場合によっては、寝かせるほどバカになり、一〇年後にはスカスカの味に大化けしていた、ということにもなりかねない。コーヒーのよし悪しを見分ける眼をもたねば到底つとまらず、丁半博打とおっつかっつ、といってもいいくらいなのである。そんなリスク、誰が背負うものか。

なるほど、そりゃ難しいね、と思ったそのオールドコーヒー、この店にはちゃんとございます。

スタバ、タリーズ、シャノアール、巷ではエスプレッソばかり大流行の時代にも、流されず信念を通すこの気骨。

こういう店が街に増えてくれたら、それは客にとってもシアワセですよ。

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